九尾さんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

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音楽鑑賞記 幸福?編

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晴れた休日の昼下がり、部屋に差し込んでくる陽光の温かさが心地良い。
窓を開け放っていると、冷たい風がカーテンを揺らしながら吹き込んでくる。
耳を澄ませば聞こえてくるのは、時計の秒針、木々のざわめき、遠い電車の音。
天井を眺めると、季節はずれの天道虫が、何かを求めてさまよっている。

しばらく静寂に身を任せて、とりとめのない思索に耽ってみる。
音楽のこと、仕事のこと、読んだ本のこと、過去のこと、これからのこと。
人を信じるのは難しい。疑うのは、もっと難しい。
でもそれらは、とりたてて重要な事には思われない。

外に出て空を眺めれば、飛行機雲が一筋出ている。
天井をさまよっている天道虫を逃がしてやると、すぐそばの濡れた草地に飛んでいく。
そして、緑の葉の上に止まる。
草の色と、血の色。
さようなら、さようなら。

夕方。
風がいよいよ冷たくなってきたので、開け放っていた窓を閉める。
傾いた太陽から、オレンジ色の光が二階の部屋に注がれている。
今日一日が、どうということなく過ぎ去ろうとしている。
それも、さして重要な事だとは思われない。

夜になったら、いつものように暗い部屋で大好きな音楽を聴いて過ごすだろう。
今夜は集中して聴けるだろうか?それとも、邪魔が入るだろうか?
さして重要でもない事柄に心を煩わされ、集中出来なくなったりしないだろうか?
CDの山を前に、どれを聴けばよいか迷ったりしないだろうか?
これは、重要な問題。

夜は冷えるので、温かさを感じる音楽を聴きたい。
…そうだ、アレにしよう。

ラトヴィアの作曲家ペレツィスの、ピアノヴァイオリン、弦楽の為の協奏曲「それにもかかわらず」。
シンプルでとても美しく、孤独さの中に温もりを感じる作品。

http://www.youtube.com/watch?v=YGclSMTx7Eg

音楽を聴ける幸福な時間が過ぎれば、いよいよ今日とは永遠にお別れとなる。

さようなら、さようなら。
 

 交響曲 作曲家 器楽曲 吹奏楽∩管弦楽器 協奏曲


日付:2011年12月11日

8件のコメント

  1

このブログ(日記)へのコメント

Minatsuki

面白い作品ですね。
クレメルがこういう曲を演奏しているというのも、興味深いです。

2011年12月13日 02時01分53秒

サウル

Minatsukiサマ
クレメルはラトビアの出身なので、そんなに不思議ではないです。

以下Wikipediaからです。
ギドン・マルクソヴィチ・クレーメル(Gidon Markusovich Kremer, 1947年2月27日 - )は、ラトビア(生誕時はソヴィエト連邦ラトビア・ソビエト社会主義共和国)のリガ出身のヴァイオリニスト、指揮者。ラトビア語名はギドンス・クレーメルス(Gidons Krēmers)。

九尾サマ
私は、今日とても幸せな気分です。
そう言う時が、たまにはあるんですね。
 
 

2011年12月13日 21時38分08秒

Minatsuki

なるほど、クレメルがラトビア出身だったのですね。納得です。

2011年12月14日 22時19分03秒

九尾

最近ちょっと忙しく、返事が遅れてしまいました。

Minatsukiさん

クレーメルさんは、結構バルト三国の音楽を演奏されているみたいですね。現代音楽も積極的に取り上げておられるようです。


サウルさん

幸せな気分…たまにはないとね。

2011年12月15日 18時11分55秒

in white♪

こんにちは。
東京の多摩地区も今朝は冬の日差しに恵まれた暖かな日曜日となりました。

冬の合間の太陽だけでも、幸せ感です。

きゅうびーさんの文学的描写の文体がいいですね。

赤と緑は補色、私も緑の葉っぱに天道虫さんが真ん中に止まっているコップのフタを使っています。

さて、ご紹介の音楽を動画で聴こうと思ってクリックしたところ28分超えとのこと。ちょっと全部聴くには時間がないぞ、と思いながらもうすでに終盤にかかっています。

もの思いにふけるしかなさそうなピアノだけの寂しい冬の風景から、ヴァイオリンの旋律が加わりまるで暖かな春に向かうような印象、そののち、室内楽の重奏が加わり、嬉々とした感じになる…既にバルトの夏?ちょっと秋のような気配も。あちらには四季ってあるんでしょうかね?
このあたりからちょっと日本ぽい旋律のような感じもあります。

音楽の移り変わりから幸せを感じるような面白い作品ですね。クライマックスのヴァイオリンのハーモニクス奏法がまるでひばりなんかの小鳥が鳴いているように聴こえました。

ヴィヴァルディならぬ現代版「四季」といった印象ですね。

個人的にギドンクレーメルはヴァイオリンのお師匠のおススメアーティストだったこともあり、聴く機会ができ良かったです。

日曜日のお昼間、新しい作曲家の音楽のご紹介と、ささやかな幸せ感をアリガトウございます。

きゅうびーさんもどうぞ良い日曜を!!

2011年12月18日 13時07分54秒

九尾

in white♪さん

冬は、太陽の暖かさが身に染みますね。

バルトにも四季はあるそうですが、きっと冬は厳しいのでしょうね。それだけに春が待ち遠しいのかも。

この作品は、私も季節の移ろいを感じさせる作品だと思いました。

in white♪さんはピアノハープだけでなく、ヴァイオリンでオケの御経験もあるのですね。今更ですがスゴイ!

2011年12月18日 17時09分41秒

in white♪

きゅうびーさん、おはようございます。
5時過ぎには起床しています。

いえいえ。アマオケの2ndヴァイオリン、いちばん後ろのプルトで、弾いているふりをするだけなら誰でもできるのです。習って3か月目でしたからそりゃ無理です。おかげさまで約2年在籍しましたが、良い経験させていただきました。

経験だけなら、誰でもできることなのです。

2011年12月19日 05時58分16秒

九尾

「弾いているふり」に笑ってしまいました(←失礼!)。習って三ヶ月でオケを経験出来たのですか。才能がおありなんですよ。

私も小学校の音楽会で、弾いているふりをして乗り切った事があります。アコーディオンでしたが。

2011年12月19日 21時15分21秒

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