yocさんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

Museでクラシック音楽を通じて素敵な出会いを

Password


次回から自動的にログインする。

« 200703月 »

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

月別ブログ(日記)一覧

Eonta, Metastasis, Pithoprakta / Iannis Xenakis

前の日記(ブログ)                         次の日記(ブログ)

「メタスタシス」は1953年から1954年に作曲され、1955年のドナウエッシンゲン音楽祭でクセナキスのデビューを飾った曲である。「メタ」は「after」、「スタシス」は「fixed state」、そして「メタスタシス」は「dialectic transformation」、弁証法的な変化、対話を通じて、相互作用を通じて変化する、といった意味を持っているようだ。61のオーケストラ楽器は、極端に細分化され、61の異なるパートを演奏する。まさに、それぞれの楽器が勝手気ままに演奏しているかのようである。しかし、だからこそある瞬間に、すべての音が一つの方向に向かって進むところは圧巻である。

「エオンタ」はピアノ、2つのトランペット、3つのトロンボーンによる作品である。1963年から1964年にかけて作曲された作品で、冒頭のピアノソロなど特定の部分以外は、IBMの7090コンピュータの計算によって作られた。コンピュータで計算された、というと、冷たいイメージを持つが、実に荒々しい曲である。もちろんコンピュータを計算させるためには、ある意図をもってアルゴリズムを書くのだから、いかに作曲家の意図通りの作品が出力されるアルゴリズムを書くか、ということが課題であっただろう。この曲の、崩壊してしまいそうな危ういバランスは、コンピュータによって偶然性が適用されるアルゴリズムが与えた効果ではないかと思わせられる。ピアノは高橋悠治である。

「ピソプラクタ」は1955年から1956年に作曲された、46の弦楽器と2つのトロンボーン、シロフォン、ウッドブロックの50の楽器によるオーケストラ作品である。1957年の3月にミュンヘンで行われたムジカ・ヴィーヴァ音楽祭で初演され、その指揮をとったヘルマン・シェルヘンに捧げられている。この曲では弦楽器は、楽器の本体を手で叩くことや「コル・レーニョ」と言われる弓の棒で弦を叩く奏法、ピチカートといった極端に短い音と、グリッサンドによる長い音の、対象的な音の組み合わせを試みている。短い音が集まり、小さな昆虫が集まって巨大な群集となったような異様さがある。

このCDに収められた曲は、クセナキスの初期にあたる作品たちだ。どの曲も個性的である。ただ、これらの音楽を楽しめるかどうかは、聴き手の姿勢にかかっていると言えるかもしれない。録音は1965年に行われたもののようであるが、今聴いても全く新しさを失っていない。このCDは2001年にLU CHANT DU MONDEから発売されたもので、ドイツ盤だ。クセナキス初体験としてもお勧めである。(20070123/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

 現代音楽


日付:2007年03月10日

1件のコメント

  1

このブログ(日記)へのコメント

Shigeru Kan-no

メタスタシスは東京時代に西村朗がレコードで凄い曲だと紹介したのですが、当時はちっとも何やってるのかわかりませんでたね。わかってきたのはこっちに来てからです。スコアを見てびっくりしたためです。これがドナウエッシンゲンで初演されたのですが、当時にとってはどんなに大きな収穫か今の状況では想像も付きません。

エオンタはこちらに来てから楽譜から入りました。音を聞いたのはラジオでずーっと後でした。ピアノの事実上の演奏不可能な事は帰ってどう演奏するか聞きたくなります。最近もラジオでエトヴェシュの指揮で聞きましたが。楽譜どおりのテンポはいつまでたっても不可能なようです。

ピソプラクタも同じ楽譜から入りましたね。音楽図書館にそう言う変な楽譜があったからです。いつか音を聞きたいと思いましたが、余りラジオではやりません。しかし21年もここにいると何回かはかかるようです。

クセナキスのオケの実演は余り多く接していませんね。東京で井上道義がやったノモス・Γがまだ強く印象に残っています。最後にクセナキスを見たのは晩年のドナウエッシンゲンでした。晩年のオケの作品を初演するためにプローベしていたところでした。かなり気持ち悪い曲でした。彼もいなくなって又一つの時代が過ぎていきます。

2007年03月10日 04時31分00秒

1件のコメント

  1

トラックバック

このブログのトラックバック Ping-URL :
http://www.c-music.jp/tbblog.php?id=3157


登録して素敵な出会いを見つけよう!

Museカテゴリー

フリーワード検索

新規ブログ(日記)

ベートー
ヴェンま
いり

オペラでお馴染みリヒャルト・・・・(星のジュウザさん)


ストリー
トピアノ

屋外に置かれるストリートピア・・・(星のジュウザさん)


K-459,
コンポー
ジアム・・

K-459, コンポージアム・・・(Shigeru Kan-noさん)


新規会員

Ito_orc
さん

ピアノ20年ほど習ってました・・・


ミルキー
さん

自分では楽器は演奏でません。・・・


ユウさん
はじめましてユウです。ピアノ・・・


公開マイスペース

シャルル
さんのお
墓参り

 令和5年2月20日にシャル・・・(歌の翼さん)


コミュ足
跡帳

コミュの参加者の方だけでなく・・・(歌の翼さん)


Vox-Lux
結成コン
サート・・

このコンサートのメインテーマ・・・(hiroさん)