yocさん
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僕が見逃していた記事がまだあったようなので短いコメントしましょう。
ノモスαはとにかく難解なチェロ独奏曲です。コレを弾ける物のみが「現代演奏家」の称号を与えても良いですね。驚異的な音楽です。
2007年04月02日 04時50分48秒

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「フレグラ」と「ジャロン」、「ケレン」、「タレイン」はヤニス・クセナキスの晩年の作品である。「フレグラ」はグルベンギアン財団の委嘱によりロンドン・シンフォニエッタのために作曲され、1976年に初演された。「タレイン」は1984年に、「ジャロン」と「ケレン」は1986年に作曲された。
「フレグラ」は4つの木管楽器、3つの金管楽器、そして4つの弦楽器による室内オーケストラの作品である。意表をついた音の連続で、めまぐるしく場面が展開する部分と、同じフレーズを執拗に繰り返す部分の対象的なパートが織り交ぜられる。華麗に音が展開する部分は、楽器を旋律ではなく音の塊として組み立てた、エドガー・ヴァーレーズの作風に似ている。いかにも現代音楽らしい曲であるが、フレーズが耳慣れない、あるいは耳障りといってもしれないものであるが、音楽の基本的な要素は何ら変わりないものであり、よくよく考えてみれば、通常の室内音楽と同じように楽しめる作品である。
「ジャロン」は15の楽器による室内楽曲である。この曲では極端なリズムと旋律、繰り返しの作用が曲を特徴づけている。通常の楽曲においては使われないだろう極低音を執拗に発するところなど、偏執的である。難しく考えることなく、この極端な作曲法にユーモアを感じて、素直に楽しむのが正しい聴き方だろうと思う。音楽の常識にとらわれなければ、この曲の面白さを味わえるはずだ。
「ケレン」はトロンボーン独奏による作品である。この曲でも、極端に高い音から低い音へ落ちたり、グリッサンドや微分音、汚い音、スタッカートの執拗な連続、楽器の限界に至る極低音、オクターブ音へのトリル、トロンボーンという楽器を様々に使いつくした音で構成されている。国際トロンボーン協会の委嘱により、Benny Sluchinのために作曲されたとのことで、このアルバムでの演奏も同じ奏者である。このような曲は、奏者によって全く違った様相を見せるだろう曲であるが、それにしても、どのように楽譜で指示されているのかも興味深い。
「ノモス・アルファ」は1965年にジークフリート・パルムのために作曲された曲である。ここでもチェロという楽器の可能性を、隅々まで使い尽くしたというような演奏がみられる。せわしない作品である。聴きなれた奏法ではないだけに、チェロという楽器の発する音が、なるほど、こういう音がするのか、と思わせられるところがある。しっかりとしたオーディオセットとそれにみあった空間を持つ部屋で、じっくりと聴き込んでみたい曲であり録音である。チェロの演奏はPierre Strauch(ピエール・ストローク)である。
14の楽器による室内楽作品である「タイレン」は、まず冒頭の音塊に圧倒させられる。クセナキスの作品らしからぬ、と言っては変なのだが、たいへんドラマチックな曲である。もちろん、クセナキスの作品であるので、凡庸な旋律で構成されているわけではないのだが、全体としてアンサンブル感があるし、緩急と抑揚をもった曲である。この曲を聴くだけでも、このCDの意味がある。
ちなみに曲のイメージをふくらますために書き記せば、「フレグラ」は巨人族とオリュンポスの神々との戦いが行われた戦場の名前、「ジャロン」は「道しるべ」、「ケレン」はヘブライ語で「角」、「ノモス」は「規則」や「法則」あるいは「旋法」、「タレイン」はギリシャ語で「芽生え」を意味する言葉である。
録音は1990年から1991年の間にパリで行われた。「フレグラ」と「ジャロン」、「タイレン」はアンサンブル・アンテルコンタンポランの演奏であり、「ジャロン」はピエール・ブーレーズの指揮による。ワーナー・ミュージック・ジャパンから「ブーレーズ・コレクション10」というシリーズで発売された日本盤であり、日本語の解説がついているのがありがたい。(20070125/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)
現代音楽