yocさん
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2007年04月06日 05時48分55秒

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プリペアード・ピアノが使われている、ということを聞かされていなければ、これがピアノ・コンチェルトであるとは思わないだろう。ジョン・ケージの「プリペアード・ピアノのためのソナタとインターリュード」では、ピアノ一台でより多くの表現を持たせるためにプリペアードを行ったが、「Concerto for Prepared Piano and Chamber Orchestra プリペアード・ピアノと室内楽団のためのコンチェルト」では、ピアノは打楽器として音楽の中に構成されている。
それにしても「疎」な音楽である。どの楽器も短く断続的なフレーズを中心に奏でており、音と音の間の疎な空間が、それぞれの音を際立たせている。また深めに与えられた残響が、さらに疎な空間を引き立てている。それ故に、突然大きな音がすると、構えができていないだけに驚きもひとしおである。どうやらエフェクトもかけられているようであり、控え目であるが電子的な加工音も時折まじる。
「Concerto for Piano and Orchestra ピアノとオーケストラのためのコンチェルト」で使われているピアノは、いわゆるプリペアード・ピアノではないようである。しかしピアニストのDavid Tudorには、piano and live electronicsと書かれている。何らかの電子的な処理がされているようにうかがえる。しかし、オーケストラの楽器群も、それぞれに尋常ではない奏法が使われているので、いったいどの音がピアノであり、ライブエレクトロニクスであり、また、その他の楽器なのか判然としない。そこがまた面白いところである。曲の終盤には、激しいエフェクトがかけられた部分があり、驚かされる。
「Fourteen for Piano solo and Ensemble ピアノ・ソロとアンサンブルのためのフォーティーン」は、13の楽器とソロ・ピアノ、すなわち14の楽器による音楽である。この曲では、どの楽器も単純な一定の高さの音しか出さないこととしている。極限まで単純化された音の使い方だ。この曲でもプリペアード・ピアノは使われていないが、いったい聴きなれたピアノの音はどこへ行ってしまったのだろうか。実はこの曲では、ピアノは鍵盤を叩かれるのではなく、弦で弾かれるのである。ピアノに打楽器的な要素を加えた「プリペアード・ピアノ」とは全く反対側にあるコンセプトだ。ピアニストのStephen Druryにはbowed pianoとクレジットされている。
「Concerto for Prepared Piano and Chamber Orchestra」はstephen drury(スティーブン・ドゥルーリー)のプリペアード・ピアノ、Callithumpian Consort of New England Conservatory演奏、Charles Peltz(チャールズ・ペルツ)指揮。「Concerto for Piano and Orchestra」はDavid Tudor(デイヴィッド・チューダー)のピアノとライブ・エレクトロニクス、Ensemble Modernアンサンブル・モデルンの演奏、Ingo Metzmacher(インゴ・メッツマッハー)指揮。「Fourteen for Piano solo and Ensemble」はstephen drury(スティーブン・ドゥルーリー)のピアノ、Callithumpian Consort of New England Conservatory演奏、stephen drury(スティーブン・ドゥルーリー)がディレクターを務める。
アンサンブル・モデルンは1980年に結成されたヨーロッパで最もよく知られた現代音楽の演奏集団だ。Concerto for Prepared Piano and Chamber Orchestraも現代音楽、特に前衛的な音楽の演奏集団で、ジョン・ケージやカールハインツ・シュトックハウゼン、ジョン・ゾーンの音楽をとりあげているという。
このCDは1997年にmode recordから発売された米盤だ。「The Complete John Cage Edition, Volume 16」である。各曲の解説が英語、フランス語、ドイツ語で書かれている。これを読みながら聴くと味わい深さがさらに増す。(20070113/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)
現代音楽