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今日はラヴェル(フランス)の
☆ステファヌ・マラルメの詩による三つの歌☆
え〜先日の更新よりも前の作品になりますが
こちらは1913年の作品。
ラヴェルは歌曲も結構書いているんですがそのどれもが
日本国内で演奏される機会にとぼしく知名度が異常に低い…
そんな歌曲の分野でラヴェル最高傑作とされているのが今日の作品。
偶然にもドビュッシーが同時期に
☆マラルメの詩による三つの歌☆を書いているんですが
ラヴェルが用いた詩の二つが同じだと言うところは注目です。
ラヴェルが歌と室内楽の作品を書いたのは
先に発表されたシェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」の影響だと
言われておりますがこの室内楽的伴奏がやばいくらい美しい☆
Soupir
Mon âme vers ton front où rêve,ô calme soeur,
Un automne jonché de taches de rousseur,
Et vers le ciel errant de ton oeil angélique
Monte,comme dans un jardin mélancolique,
Fidèle,un blanc jet d’eau soupire vers l’Azur!
- Vers l’Azur attendri d’Octobre pâle et pur
Qui mire aux grands bassins sa langueur infinie
Et laisse,sur l’eau morte où la fauve agonie
Des feuilles erre au vent et creuse un froid sillon,
Se traîner le soleil jaune d’un long rayon.
溜息
ぼくの魂は夢見る君の顔へと、おお静かな妹よ
そばかすでいっぱいの秋に
そして天使のような君の瞳の漂う空へと
向かっていく、まるで憂いに満ちた庭の中で
絶え間なく、白い噴水が青空に向かって溜息をつくように
−青空に向かって、青白く澄んだ十月の穏やかさは
大きな湖面に限りない憂鬱さを映し出し
そして漂わせる、死んだような水の上に褐色の苦悩を
枯葉の苦悩は風に乗って 冷たい轍を描く
黄色い太陽の長く伸びた光がその上をなぞっていく
Placet futile
Princesse! à jalouser le destin d’une Hébé
Qui point sur cette tasse au baiser de vos lèvres;
J’use mes feux mais n’ai rang discret que d’abbé
Et ne figurerai même nu sur le Sèvres.
Comme je ne suis pas ton bichon embarbé
Ni la pastille,ni rouge,ni jeux mièvres
Et que sur moi je sens ton regard clos tombé
Blonde dont les coiffeurs divins sont des orfèvres!
Nommez-nous... toi de qui tant de ris framboisés
Se joignent en troupeaux d’agneaux apprivoisés
Chez tous broutant les voeux et bêlant aux délires,
Nommez-nous... pour qu’Amour ailé d’un éventail
M’y peigne flûte aux doigts endormant ce bercail,
Princess e,nommez-nous berger de vos sourires.
空しい願い
プリンセスよ! わたくしの女神エベへの嫉妬心は
あなたの唇が触れるこのカップに描かれているからですが
情熱が燃えつつも、わたくしの身は慎ましき聖職者でございますゆえ
セーヴェル焼にこの裸の姿を描かれることはないでしょう
わたくしはあなたの愛玩犬ではございませぬし
お菓子でも、口紅でも、気のきいた玩具でもございませぬが
わたくしにあなたの閉じられた眼差しが降り注いでおるのを感じます
金細工師が神業のようなヘアーメイクをするブロンドの髪のあなた様の!
わたくしたちに名をください...
キイチゴのような笑い声をなさるあなた様は
飼い慣らされた羊の群れに混じって
願い事を食い荒らし、得意そうにいなないています、
わたしたちに名をください...
扇のような翼を持つ愛の神様が
笛を手に羊小屋を眠りにつかせるわたくしの姿を描いてくださるように
プリンセスよ、わたしたちにあなたの微笑みの羊飼いという名をください
Surgi de la croupe et du bond ( 腹のところから現れ出でて飛び出したる)
Surgi de la croupe et du bond
D’une verrerie éphémère
Sans fleurir la veillée amère
Le col ignoré s’interrompt.
Je crois bien que deux bouches n’ont
Bu,ni son amant ni ma mère,
Jamais à la même Chimère,
Moi,sylphe de ce froid plafond !
Le pur vase d’aucun breuvage
Que l’inexhaustible veuvage
Agonise mais ne consent,
Naïf baiser des plus funèbres !
A rien expirer annonçant
Une rose dans les ténèbres
腹のところから現れ出でて飛び出したる
このこわれやすいガラスの入れ物の
ほろ苦い夜を花で飾ることもせざる
忘れ去られたその頸
われは深く信ず、ふたつの口は決して
わが母の口も その愛人のものも
決して同じ夢を飲んだことはなかりしを
われ、この冷たき天井の妖精と同じ夢を!
このきれいな花瓶にはいかなる飲物も入る
この一人暮らしの汲み尽くせない
何の同意もなく死に瀕する苦悩なら
あまりにもみじめなほどの愚直なくちづけ!
吐息も吐かずに予告する
暗闇の中の一輪のバラのことを
http://homepage2.nifty.com/182494/LiederhausUmegao...
(詩と音楽より)
ラヴェルは器楽が何かと日本では取り上げられるんですが
是非、歌曲の最高傑作とされている本日の作品
一度、聴いてみてください。
参考音源↓
http://www.youtube.com/watch?v=l-0OYn80ut4
http://www.youtube.com/watch?v=ALYDulE7rN8
http://www.youtube.com/watch?v=k7fKRgmFdws
では、今日はこの辺で…
ピアノ 作曲家 器楽曲 協奏曲