巨匠マドモアゼル・マダム・キタローさんのブログ（日記）〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

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□A部門(第2次予選にJ.S.バッハの任意の曲が課題有り)

9.チマローザ:ソナタ第37番,第27番 → 第37番は、音が整備されていて、よく練られたフレーズ感が印象的。マルカートやスタッカートを巧みにニュアンスを大切にしている。手堅くまとめたのが素晴らしい。
第27番は、曲想をガラッと変えて、速いパッセージでも色を替えてきて、心地良い！最後の方で、気持ちの高ぶりによる乱れもあるが、最後まで勢いのある表現が印象的。…☆☆☆☆

10.アルベニス:イベリアII 「トゥリアーナ」 → 音色が整理されていて、明るめのコントラストが良い。踊るようなリズムをもう少し出した方がいいか、とも思うが、全体的にパステルカラーが漂う音色が魅力的。
中間の左右交差する箇所で一段と難しいところは、少し流れを鈍くしたが、よくまとめている。…☆☆☆☆

11.ラヴェル:クープランの墓「6.トッカータ」 → 最初の、和音のブロックパッセージが深い打鍵をしていないので薄っぺらな響きが気になる。技術(※指)は、よく回っていると思う。かなり速い。
中間、左右交差する、左手のテーマがやはり打鍵に深みが無く薄っぺらい。ダンパーペダルが、かなり濁る。響き応じて細かく踏み直していない。
後半は、投げやりな感じになったのは残念。…☆☆

12.ベートーヴェン:ソナタ第14番 op.27-2 「月光」第3楽章 → 全体的に crese. 的なアルペジオの動きが不足する。
左手の8分音符の頭を強調するのはいいのだが、バランス感がどうか？。
バスの音に、不安定な要素がある時がある。ダンパーペダルが少し長めに踏み過ぎる時も見受けられた。…☆☆




▽7/6 日曜 第1次予選 2日目

□シニア部門(55歳以上)

9.モーツァルト:ソナタ第4番 KV.282 → 1楽章は、音質はいいのだが、総じてダンパーペダルが、やや長く踏み過ぎる。
タッチが、もう少し明確な発音があった方が良いかも。
後半、全体的に音が濁る。強弱の変化も欲しい。2楽章も、3楽章も、テンポが、一定してない。全体にダンパーペダルを多用し過ぎ。…☆

10.ベートーヴェン:ソナタ第17番 op.31-2 「テンペスト」第3楽章 → 流れがあるしっかりした演奏。pやppになった時に音が抜けたりしてしまう箇所もあるが、勢いがあって良い。少しダンパーペダルを深く踏み過ぎる。…☆☆☆

11.バッハ:平均律II 第9番 → プレリュードは、明快な響きだが、声部の音の区別違いが解りにくい。流れは安定している。
フーガは、少し速めのテンポ。壮大な響きが欲しい。声部分けが不明になる点で、さ迷う部分も有り。…☆☆

12.シューベルト:即興曲 op.142-3 → テーマは美しかったが、変奏1で左右のバランスが濁るのが気になる。変奏2では、右手のタッチにメリハリが欲しい。以下、各変奏とも、左手バスの音が強すぎる場面が多し。…☆☆☆

13.リスト:パガニーニによる大練習曲「5.狩り」 → ダンパーペダルの踏み方が一色単。踏めばいいというのでもないが、細かな踏み替えは必要。タッチはやや弱い。音(音量)の幅が狭く、パッセージが同じに聴こえてしまう。…☆☆

14.ベートーヴェン:ソナタ第8番op.13 「悲愴」第1楽章 → Graveの表示テンポよりは早め。各音に対する「溜め」が少なく、あっさりと弾く。溜めがある方が良いのだが、提示部の流れはいい。展開部の二分音符のタイの二分音符がやや弱い。全体的にpとfの対比感が不足する感がある。…☆☆☆

15.ショパン:バラード 第3番 op.47 → 歌心はあるのだが、中音域の鳴らし方がかなり煩く聴こえる。和音が全体に鳴らし過ぎる(右手の)。
中間部で、止まり直してしまったのが惜しい。
左手に力が入り過ぎるのか、かなり濁る場面もあった。…☆

16.バッハ:パルティータ 第6番 より アルマンド, クーラント → アルマンドは、ゆったりした雰囲気が良い。少し音抜けがあったり、異音を弾いてしまうのが残念。
クーラントは、勢いがあり、響きにも豊かさがあるが、少し譜読み違いも見られる。後半に縺れも有り。…☆☆

17.シューベルト:即興曲 第3番 op.90-3 → 流れを大切にした演奏で、大きな強弱の変化に乏しい部分はあるが、穏やかな雰囲気が随所に見られる。暖かな感情もある。終盤の微妙な和声感は見事！…☆☆☆☆☆

18.フォーレ:ヴァルス=カプリス 第2番 op.38 → 最初の部分は良かったのだが、ワルツ自体に入ると、やや流れが鈍くなる。華やかなワルツが少し煩く感じる。鳴らす和声感の配分が少し気を使っていない感じがする。中間の場面が、変わる部分で溜めが無いので、少し散漫な場面が見受けられる。後半、やや集中力に欠けるのも残念。…☆☆

19.シューベルト:即興曲 op.142-2 → メロディーは、よく歌うものの、和声(和音)がかなり抜いてしまっているのが惜しい。レガートがしっかり成されてないので、1音1音が切れ気味になる。
途中で迷いながらの演奏になってしまった。…☆

20.ショパン:ソナタ第3番 op.58 第1楽章 → やや重ためのタッチだが、総じて安定はしている。左手が少し強すぎる感がある。
提示部の第2主題が中々、美しい。その先、提示部が終わる手前で、さ迷ってしまったのが惜しい。…☆☆


□B部門(自由曲のみ)

25.ドビュッシー:バラード → 表情豊かで集中力を保っている。もう少し全体的に大きくドラマティックに表現してもいいのでは？とも。
劇的に変わる中間部は、少し物足りなさも感じる。音質は終始、美しかったと思う。…☆☆☆☆

26.ブラームス:6つの小品 op.118 「2.間奏曲」 → 流れを感じて演奏してるのが印象的。もう少し前向きな表現を望みたいが、中間部のいとおしい表現は中々なもの。後半、テンポが流れ過ぎる部分もあるが、総じてよくまとめている。…☆☆☆☆

27.チャイコフスキー:ドゥムカ-ロシアの農民風景- op.59 → 序奏の部分は表現豊かで好印象。場面が変化する農民の踊りの場面は、もっと激しい表現が欲しい。その辺りが、不足しているように思う。
音質は全体的には美しいが、変化の落差が、余り無いので印象度が薄くなってしまう。…☆☆☆

28.レハール:ワルツ「金と銀」op.79 → 華やかな音色と、スッキリした解釈。よく練られてると思う。
ワルツの本題に入って安定性もある。右手のメロディーも、硬さもなく、しっかり取っているし、表現に切れ味があるのもいい。左手のバスの意識も素晴らしい。…☆☆☆☆☆

29.スクリャービン:24の前奏曲op.11-1,5 ＋
カプースチン:8つの演奏会用エチュード op.40-3「トッカティーナ」→ プレリュード1番は流れがもたつく、左手が鈍い。プレリュード5番は、右手上声部の音を長く繋げて欲しい。少し、流れが先へ欲しい感もある。
カプースチンは、鋭いタッチとアクセントがもっと欲しい。うわべで弾いてるように聴こえる。アクが聴こえてこないと、この曲の良さが伝わってこない。ホールで弾くジャズならば、もう少しタッチを強靭にしないと、ダメ！…☆☆


30.モーツアルト:デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲 KV.573 → コミカルさもあるし、各変奏にも安定感がある。速さも適度にあるし、表現の豊かさが感じられる。
欲を言えば、音色の変化と、対話的な部分の処理は工夫した方がいいだろう。…☆☆☆☆☆

31.ハイドン:ソナタ Hob.XVI-50 第1楽章 → 速めのテンポでいいが、もっとタッチに切れ味が欲しい。pやppの音色はいいのだが、三度の重音などが安定していない時がある。
展開部が少し大雑把過ぎる。テンポが揺れてしまう。オリジナリティーはかなりあると思う。…☆☆☆

32.バッハ=ラフマニノフ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番「ガヴォット」 → 音色やタッチは美しいと思う。ただ強いスタッカートで和音が入ると濁ってしまうのが欲しい。まだ自身の弾きこなしが不足な感じもする。
大変さを出さないのも、トランスクリプションなので、その辺がまだまだと言った感。…☆☆☆


33.スクリャービン:前奏曲op.15-1, op.17-5, op.37-2 → op.15-1は、自己陶酔型？なのか、短いながらも美しさはある。op.17-5は、イメージを大切にしてるが、ポイントとなる箇所が沈んだりするのが、ちょっと残念な気がする。op.37-2は、短いながらも、フレーズ感を出さないとな感。響きの華やかさはあっても、一瞬の出たなりで、鳴らすのは良くないだろう。…☆☆☆

34.ショパン:バラード 第1番 op.23 → 溜めがまだ足りない序奏。そのままテーマへ行ってしまうので、印象が薄い。少しツェルニーのエチュードっぽい感覚。音色の変化も乏しい。劇的に奏される曲が、こうもサラサラに演奏されるのは些か抵抗を感じる。…☆☆

35.レオ・ドリーブ:バレエ音楽コッペリア「マズルカ」→ 楽しげな序奏と共にマズルカに入りましたが、右手のリズムだけが強調しているようにも伺える。やはり、左手のリズムにも気を使って欲しい。和音の出し方をもう少し整理されて欲しい。音楽の遊びをもっと出して欲しい。…☆☆☆

→ 続く

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