Shigeru Kan-noさんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

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422.ワルター・ブラウンフェルズの「鳥たち」Walter Braunfels DIE VÖGEL

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このオペラは六日も申し込んだが上演がキャンセルになった。現在ここの現場でしかやっていないオペラなので歌手が一人でも病気になれば世界中に電話かけてもこれを歌ったことのあるいま生きてる歌手は一人もいないので代役が全く効かないためである。前回はワルター・ブラウンフェルズの「ジャンヌ・ダルク」をケルンで2016年2月17日に聴いている。この時も歌手が病気だったが、アメリカのラスベガスだったか歌ったことのある歌手がいて急遽「トスカ」をキャンセルして演技が追い付かないのでそれなしでケルンの舞台に立ったオペラ・ネットワークのすばらしさは今回は機能することができなかった。この作曲家のオペラ総数は12曲を数える。



今回の上演は今年は最後で客の入りが良くないため来年は削除されると思う。悪い駄作オペラではなく作曲者もオペラも知名度が全くないためである。逆に知名度があっても良くない駄作オペラはある。緻密であってもR・シュトラウスの後期がそうである。ベートーヴェンもそうだが、交響曲や交響詩で名を上げたのでも今日でも盛んにやってもらえる。今回そう言えるのは前にここで聴いたシュレッカーの「烙印された者たち」と質的にちっとも変わらない秀作だからである。もっと言うならばこの作曲者の後期のオペラ「ジャンヌ・ダルク」よりも色彩的に良くできている。それでも上演になる理由はないが、ケルン音大の学長の経歴があり、ナチに虐められた4分1のユダヤ人系だからこそ上演まで漕ぎつけることができる。ブルックナーの弟子でウィーン音大の学長やったフランツ・シュミットみたいな立場に似ている。



まず45分前に久しぶりにこのオペラの解説があり歌手全員が揃っていて今日がライブの最後のチャンスであると断りがあった。前回のキャンセルは関係のないうちにまで更にEmailが来るほどの不評であった。このオペラのテーマはパラダイスのユートピアであることを打ち明ける。「世界とか何か」、「人間とは何か」の哲学的な追及。1920年にミュンヘンで初演されたときは今のような無名ではなく当時の龍児であったことを明かす。人間社会の誤魔化しの告発。日本だったら到底残らなかった作曲家に早急に分類されるところをここでは残っている証拠として多大な犠牲を払って上演する。確かに1920年代に大成功を収めている。1922年にはケルンで「テ・デウム」を初演。それがきっかけで当時のコンラド・アデナウアー市長からケルン音大の学長に任命される。その後にはカトリック教徒として大ミサを作曲初演されるが、1933年にナチが出て来た時にすぐ解雇される。戦後はケルン音大の学長に戻されるが作曲能力は既に峠を過ぎていて1974年に71歳で亡くなる。



このオペラはコメディーである。大きな都市の2人の男たち。鳥たちとのより良い生活の追求。クロノスは神々の父たち。プロメテウスと変容。コーラス・パッセージは「ボリス・ゴドゥノフ」の壮大な合唱を思い出す。若いヘルデン・テノール。この歌手はここでは別のオペラを歌った、「ああー、私は生きた。」等とオペラの話題は器楽曲とは桁違いに多く話すことが尽きない。



本番は客が遅れてたくさん入って来たので開始が10分位遅れる。オケは何時もの脇なので歌声は音響的に聴きやすい。とにかく序奏が始まり別の演奏で譜面付きのリンクをかける。

https://www.youtube.com/watch?v=Vl5qface3o0

戦争の風景。カラスの鳴き声。全員死ぬが後で生き返る。台本にあるのか演出なのはわからない。ツェムリンスキーや「大地の歌」を思わす世紀末の暗い音楽構造。コロラトゥーラ、ワーグナーの「マイスタージンガー」や「ジ―クフリート」の様な音楽転換。そう言う事態が出て来るにもかかわらずこのオペラは良く上演されるR・シュトラウスの後期のオペラよりは遥かに優れていると自覚。子供たちの動きの面白さはべヴェーグンクスコアとして振り付けされているようだ。「ヘンゼルとグレーテル」や「魔笛」のようなメルヘンの真っ盛り。第一幕50分。客に帰られるので休みなしに第二幕。



編成は2222(cf)、4231、pK, 2sCH. cEL, 2hP, 多分 10, 8, 6, 4, 3。二幕は抒情的だが、この初期のオペラは後期よりも確かに精気がみなぎっている。30分。



30分の休憩後第三幕。音楽は古典的な技法と印象派的な技法の混在。和声的マーラー解決やホルンのR・シュトラウス的跳躍、ワーグナー的和声交換は物真似よりも技法が当時一般常識化していて面白いところがドヴォルザークと違うところ。一番打楽器無しのす吹奏楽器だけの長いパッセージは意外と地味な大胆性。長い事実上の歌わない規模の大きいこの上演で消えるのがもったいないバレエ音楽。巨大な卵が出て来る。ライトモティーフ。おっさん雛が巨大卵から生まれる。ゼウス。60分。計2時間20分。

Ein lyrisch-phantastisches Spiel
in zwei Aufzügen nach Aristophanes
Dichtung und Musik von Walter Braunfels (1882 – 1954)
› in deutscher Sprache mit deutschen Übertiteln



Inhalt
Ratefreund und Hoffegut, zwei kunstsinnige Bürger aus einer großen Stadt, suchen im Reich der Vögel einen Rückzugsort von den Zumutungen der rastlosen Zivilisation. Unmittelbar nach ihrer Ankunft unterbreitet Ratefreund, ganz Tatmensch und Stratege, den gefiederten Wesen einen ideell verlockenden und zugleich …

 作曲家 指揮者 ピアノ 現代音楽 オペラ∩声楽曲


日付:2022年02月19日

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