Az猫ロメさんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

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遂に出た『楽聖伝』

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音友の新書版・大作曲家シリーズに先行して、「楽聖の生涯」(平凡社)が昨年末に出版されていた。執筆者は青木やよひさんである。巻末の紹介文をみると、1959年に世界で始めて楽聖の<不滅の恋人>に関するエッセイを発表し、後に、ドイツ本国においてその説の正しさが立証されたとある。
 本来ならば、音友の「大作曲家シリーズ」の執筆者となるべき方であったかも知れない・・・!?

 それはともかく、この本で紹介されている「楽聖像」とはいかなるものや?曰く、最新の資料を駆使した「徹底的に自由人ベートーヴェン」像なりと。
 この「自由人」とは、青木さんの「はじめに」を読むと、「生まれながらに拳をふり上げ、悲惨な境遇をものともせず、すべて独力であれほどの偉業をなしとげた超人的な天才」という偏見と誇張にみちた「楽聖像」ではなく、「先人の教えや伝統に学び、歴史的な激動の時代に常に未来を志向しながら、自己を鍛錬し成長させ続けた芸術家」ということになる。

 「ウ、ム、ムッ!」というところであるが、言わんとするところは、『運命』や『エロイカ』、『悲愴』『月光』『熱情』、P協奏曲第5番、最後は交響曲第9番などの英雄的・人類愛的ミッションに満ちたクラシック音楽界の「使徒パウロ、マタイ・・・ヨハネ」像から、クラシック音楽界の「ダ・ヴィンチ」として、コペルニクス的・ルネサンス的実像を導き出すことか?(意味不明であるが、ご容赦^↓^)

 2,3年前に『敬愛なる楽聖』という映画が話題になりましたが、あの映画のテーマは『第9』の人類愛でしたね。甥のカールの行状の悪さに悩みながらも、自然を愛する楽聖は、ヒロインの献身的助けを借りて『第9』を作曲し、女弟子の愛に包まれて平穏な心もて「あの世に旅立つ」というストーリー。(悪くはないのだが、今ひとつインパクトに欠ける)

 で、青木さんの「自由人」ベートーヴェン像であるが、どこまでその姿を描き出すことに成功しているのであろうか。

「その日ウィーンの空は朝から荒れ模様だった。やがて空一面が黒雲に覆われたかと思うと激しい雷鳴がとどろき、雪とあられをまじえた旋風が街中を吹きあれた・・・だが、この時驚くべき光景が出現したのだった。瀕死の楽聖が目をかっと見開き、厳しい表情で天の方を凝視しながら、しばらくの間右手の拳を高くかかげた・・・」
 『私には、この場面から別のイメージが浮かんでくる。楽聖が高くあげていた右手の拳には、見えない指揮棒がにぎられていたのではないか。稲妻とは一種の物理的放電現象であり・・・』云々。

 ともあれ青木さんの本で、私が確実に理解できたことは、楽聖と神童との生涯の違いである。生きた時代はたった30余年の違いながら、方や宮廷の給費留学生としてウィーンに派遣されたのに比べ、一方は「ケツを足蹴にされた負け犬」同然に、「今に見てやがれ、キャンキャン」とウィーンに向かったのではある。結果は「以下同文・・・」、出だしの「打ち上げ花火」こそあれ。神童は『最後までついていなかった。金も、女も、地位も名誉も・・・』

(青木さんの名誉のために、1,2度読んだ程度で早急な評価を下すのはいささか軽薄のそしりを受けかねないですね。)

 ピアノ オペラ∩声楽曲


日付:2010年02月02日

7件のコメント

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このブログ(日記)へのコメント

Shigeru Kan-no

こういうのって無数に無いですか?ここは数え切れないほどありますね。

2010年02月02日 18時53分12秒

Az猫ロメ

ドイツ本国ではそうでしょうね。「本棚が腐る位に・・・」
 ところが、極東の島国では20年おき位に、最新の研究に基づいて書き改めるもののようです。出版社の音友にとっても、「最新の」楽聖伝ともなれば多少のもうけは期待できるでしょう。
 概して、図書館に所蔵されているちょっとした「楽聖伝」を読んでも、青木さんの云うように、偏見と誇張に満ちた埃が舞い上げってきますからね。ちっとも感動を味わえない。
 しかし、腐っても楽聖です。青木さんだって、大方のクラシック・ファンのイメージを壊さないように、大変気を使っていると思いますよ。

2010年02月02日 21時32分13秒

Shigeru Kan-no

ボンなんかこれが唯一の観光資源ですから凄いですね。町独自でもベートーヴェンの本を何冊か出しているようです。それもCD付とか、勝手にベートーヴェンの箱物の全集盤を出していますね。他の町では売っていないようです。170枚ぐらいで50ユーロぐらいですね。いやー、あの町はベートーヴェンばっかりでうんざりです。

2010年02月03日 00時07分34秒

Az猫ロメ

「170枚で50ユーロ」ということは、1枚400〜500円ですね。もう少し安いと良いのだが・・・。

 青木さんの楽聖伝で、多少不満の残るのはオペラに関する記述です。色々、作品を作るチャンスはあったが、寡作の原因を当時のウィーンの「検閲制度の煩わしさ」に求めているようです。
 お上のご機嫌を伺ってオペラを作るなぞ、楽聖のプライドが許さない!というわけです。
 はっきりしたことは云えませんが、所謂、「ビーダーマイヤー」のご時勢で、ウィーンの大衆はワルツにうつつを抜かして人生を愉しんでおれば、Happy!ということらしいのですが、『ホンマかいな?』とはやはり思う。

 楽聖は、オペラのイタリア語を十分に解する語学力を有していたのだろうか、パガニーニやロッシーニに対抗する「ドイツ精神の高揚」を感じなかったのだろうか・・・?色々と論議する題材はもっとありそうですがね。

 私などは、楽聖は神童に比べて、オペラに執着する感性が低かったのではと思っています。ピアニストのルービンシュタインとホロヴィッツとの違いですか。「オッパイに齧り付いて、オナラを三発放ってあの世行きだ!」などとコンスタンツェとふざける神童には、とても楽聖は敵わない。楽聖は東洋の悟り僧ですよ、「風の音、水のせせらぎ、雲の流れゆく様に人生のはかなさこそ知れなん」などとつぶやく楽「聖人」に、太ったソプラノ嬢が寄りつくものですかね?

2010年02月03日 11時16分33秒

Shigeru Kan-no

ナポレオンを賞賛した人ですからありますね。特に政治的なテーマはヴェルディとか検閲に引っかかりましたね。モーツァルトの「フィガロの結婚」もぎりぎりでしたね。でもあの「フィデリオ」オペラは元々音楽が弱いですよ。駄作でないにしても傑作でもないですね。当時の作曲家は今の英語と同様にイタリア語は必須だったでしょう。モーツァルトなんかは完全にできた筈です。じゃ無いとあんなイタリアオペラはかけませんね。フランスではフランス語、ロンドンでは英語を喋っていたと思います。日本ではこれは大変なことですが、ここで生まれ育つとすぐイタリアなんか行って問題が起こりますからみんな気軽にできますね。当時の作曲家はオペラを作るのが当たり前。食っていくにはオペラは欠かせないですね。イタリア語で書かなくとも、モーツァルトのオペラなどはスコアかって研究しますから結局は言葉はできないと書けませんね。

2010年02月03日 19時11分20秒

Az猫ロメ

 『でもあの「フィデリオ」オペラは元々音楽が弱いですよ。』
(「正直者のプロの音楽家」としてのKan-noさんにして云える言葉です。ドイツで嫁さんもらえて良かったですね?!)

 青木さんの本には、楽聖は『魔笛』を評価していたと記述されています。(他書も似たようなものですが。)楽聖も所謂、フリー・メーソンに共感していたが近づくことはしなかった、ともいいます。

 『魔笛』と『フィデリオ』、神童と楽聖・・・。私などは、ワーグナーの『トリスタン』など?後に続くドイツの大作曲家への影響を、素人にも分るような形の「音楽的お話し」として聞かせてくれる方が有り難かったですね。

2010年02月04日 09時25分05秒

Shigeru Kan-no

Wikipediaではベートーヴェンはゲーテと共にフリーメーソンの会員でしたね。魔笛を研究していたのは確かでしたが、実は結局「フィガロ」も「ドン・ジョヴァンニ」もやってましたね。

ワーグナーの「黄昏」の第二幕の音楽は「フィデリオ」の第二幕の音楽から直接影響を受けていますね。「フィデリオ」が無かったら「黄昏」はなかった。

2010年02月04日 17時20分03秒

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