椰子の実さんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

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魔笛を本当に楽しみたい方への手紙その2

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<<第二の手紙>>魔笛創作の背景に関する情報を以下まとめてみた。1997年、ニューヨークタイムズにモーツアルトに関係するある発見が一面を飾っているが、それは1790年、即ち魔笛が作曲され、初演された前年に興行されたオペラ「賢者の石」のオリジナルの写譜中に3曲に”von Mozart”(モーツアルトによる)の署名が発見されたというニュースである。また各曲には作曲者の署名があり、結果、5人の作曲家が関わっていたことが明らかになった。この5人とは魔笛のリハーサルと本番3回目以降を指揮したヨハン・バプティスト・ハンネベルク、タミーノを歌ったベネディクト・シャック、ザラストロを歌ったフランツ・クサヴァ・ゲルル、パパゲーノを歌ったエマニュエル・シカネーダー、そしてモーツアルトである。この「賢者の石」のあら筋は以下。<ナディールとナディーネという高貴な二人が、オイティフロンテのもとで火と水の試練を受ける。主人公は滑稽なお共を連れている。それはルバーノという名前の自然児で、彼は最後にルバナーラという女性を得る。> ええっ!それでは魔笛の配役にピッタリ相似するではないか!ナディール=タミーノ、ナディーネ=パミーナ、オイティフロンテ=ザラストロ、ルバーノ=パパゲーノ、ルバナーラ=パパゲーナという次第。「賢者の石」の台本はシカネーダーが童話集「ジニスタン、あるいは妖精精霊物語選」(1786-1789)(その中に「ルル、あるいは魔笛」がある)をもとに興行を急ぐため共同制作者を募って書いたもの。経済的に困窮していたモーツアルトがこれに乗ったという構図である。つまり、魔笛の台本は「賢者の石」の練り直しであり、大きな違いは(1)フリーメイソンの通過儀礼を落とし込んだこと、(2)音楽は5人ではなく、モーツアルトが一人で作曲したところにある。フリーメイソンの要素を挿入し、ほころびなく仕上げるには当然モーツアルトが全曲作曲せざるを得ない。また面白いことに音楽的にも「賢者の石」の残骸が魔笛にも見られ、例えば夜の女王に似た曲が「賢者の石」ではテノールのアリアになっている。さて、こうなって来ると魔笛のストーリーの履歴はもう少し注意深く調べる必要がある。すると1731年にアベ・ジャン・テラソン作の小説「セトス」が書かれ、ドイツ語翻訳版が1978に出版され、これがウィーンのフリーメイソンのロッジでよく読まれていたことが判明。ここには<夜の女王、3人の侍女、タミーノ、二人の鎧を着た男、蛇や火と水の試練、ザラストロのアリアの詩句に似た一節>がある。また<ええっ!>である!こうなってくると魔笛は当時の人気小説、童話のストーリーと登場人物を素材に出来あがった台本で、その第一号が「賢者の石」なら、魔笛は第一号にフリーメイソン通過儀礼を加えての練り直しの第二号ということか。セトスに既にフリーメイソンの要素があるのでシカネーダーとモーツアルトにとってフリーメイソン通過儀礼を加えることは容易であったに違いない。またシカネーダーは劇場を経営する興行師でもあり、客寄せ、観衆受けが常に頭にあったはずで、場面、場面のつなぎ(ストーリー)を犠牲にしても各場面を見栄えのよいものに仕上げることに執心したことは疑う余地はない。それがストーリーの矛盾、無理が多数存在する原因になっている。これを至高の音楽劇芸術に仕上げたのは一重に天才モーツアルトの力であろう。最後にこの魔笛の音楽であるが、よく言われるのは多様な音楽様式を取りまとめたその統合性にある。夜の女王のオペラ・セリアの世界、三人の侍女におけるセレナーデの名残、パパゲーナの歌う民謡、モノスタトスのトルコ風の音楽、パミーナとパパゲーノの二重唱におけるドイツーリート風の旋律、ザラストロや僧侶たちのコラール、第一幕、第二幕フィナーレにおける合唱のオラトリオ的な響き。。。。この音楽様式の多様さも「賢者の石」での音楽が5人の合作という事情に多少起因しているのかも知れない。また特に民謡にも通じた芸人シカネーダー趣味の影響があるのかも知れない。これはモーツアルトの死因の謎、彼の葬儀の不可思議な取り仕切りの謎、彼の墓の所在不明の謎と同様、詮索の努力はもはや空しく、その解を得たくば、魔笛の入場券を迷わず買い求め、劇場で魔笛を楽しむしかない

 テノール・カウンターテナー ピアノ 作曲家 オペラ∩声楽曲


日付:2010年09月26日

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