北野坂如水庵さん
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バランスより「軸」
決して左右対称の動きをしない楽器演奏では、身体の左右バランスが整うということはありません。
小さいころからの積み重ねが猶更それを顕著にしています。
また、練習量が増えればそれだけバランスも変わります。
姿勢から筋肉量まで、決して左右対称になることはありません。
その左右非対称を無理に左右対称に整えることは無意味で、いかに「非対称」でバランスをとるかということが命題となります。
大切なのは「対称」ではなく「軸」です。
安定した「軸」のある身体で非対称な動きを制御すること・・・
「軸」が安定していれば、動きはスムーズになります。
「非対称ありきで軸をとる」
それが最も大切なことです。
ただ、この「軸」が歪む場合が多々あります。
練習の集中量が多ければ、それだけ大きな非対称行動を起こすことになります。
筋量のバランスも変わり、それにつられるように「軸」がズレてきます。
なるべく軸をズラさないためには、練習前後の軽いストレッチ程度でも十分防げます。
なので、面倒ではあるでしょうが、軽いストレッチを練習や本番の前後両方に取り入れることをお勧めします。
気の滞留
また、練習で新たについた筋肉が身体全体に張りをもたらします。
ですが、これを安易に揉みほぐすと、せっかくついた新鮮な筋肉の繊維を台無しにしてしまいます。
なにせ「練習の成果」なわけですから。
そんな成果を台無しには出来ません。
だから、筋肉だけでなく軸のバランスや経絡を見ながら、気の流れの滞りを解消して「成果を定着させる」ことが必要です。
身体に張りが出て関節に滞りが生じていることが多く、そのために関節付近で「気滞(気の滞留)」が起きています。
その「気滞」のせいで全身に気が巡らず、練習の疲れが抜けない・・・という状態にもなります。
こういう時に練習を重ねれば重ねるほど、成果は上がらなくなってきます。
だから余計に練習量が増えたり・・・・
「気滞」が生じる場所として、やはり「手首」あたりと「腕の付け根」あたりが多いです。
肘関節の場合もありますが、一番多いのはやはり「手首」です。
それも「親指」側の手首部分で気滞が生じやすいです。
親指側というのは、経絡では「肺経」にあたります。
経絡上の気の流れには順序があり、気の流れの始まりが「肺経」となります。
呼吸で気の流れを制御するのは、こういう理由からでもあります。
その一番最初の「肺経」で「気滞」が生じると、そのあとに続く経絡に気が流れなくなります。
つまりは「全身に気滞が生じる」状況となります。
川の上流がせき止められた状態のような感じです。
このような状況では、身体中に「気」が「放電」しているようになっています。
流れを止めた「気」が滞留しています。
滞留が長引けばそれは「気の淀み」となります。
こうなると「治癒力」が衰えて、疲れが取れなかったり、気力がそがれていったり・・・・という状況にもなってきます。
せっかくの練習の成果も、発揮されないまま消えていくということになりかねませんね。
これも、なるべくストレッチをしたり、振るような動作で少しでも解消してほしいと思います。
全身の「気の滞留」をクリアリングするのは結構時間がかかります。
「淀み」となればなおさらですね。
くれぐれもご自身が「アスリート」であるということを忘れないよう心掛けてください。
それだけで「気付き」が得られて、成果をきちんとご自身の血肉に還ることが出来ると思います。
スポーツ選手だけがアスリートなわけではありません。
特殊な技で特殊な身体遣いをされていれば、それだけで専門的な「アスリート」となります。
それを重々心がけで頑張ってほしいと思います。
元記事サイト
http://www.yuragi.me/posts/3547725
吹奏楽∩管弦楽器 邦楽器 現代音楽