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新日フィルの「ローエングリン」

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新日フィルの「ローエングリン」の演奏会形式の公演(3月21日)を観ました。演奏会形式とは言え、小舞台を作り階段を活用して衣装を着けた公演は、オペラとほとんど変わりなく、大変に楽しめました。
新日フィルは管楽器に個性があります。木管はくっきりとした音色で自己主張が強い感じ、金管は音量が豊かでエネルギーが最後まで落ちなくて、終幕で盛り上げてくれました。二期会「オランダ人」での読売日響の金管の不十分な音量にフラストレーションを感じた私としては、非常に満足しました。ただ全体としてはもう少し洗練された音色が欲しいと感じることもありました。
主役5人の外国人歌手は全く素晴らしく、依然としてワーグナーでは日本人との底力の差を見せ付けられた気がしました。全てが好演の中で一人だけと言われれば、やはりバイロイトでもエルザを歌ったメラニー・ディーナー(大きい!)です。清楚な一方で力強さもあり、理想的なエルザと思いました。トマス・コニェチュニも豊かな声量で堂々としたハインリヒ一世を表現していました。
さらに良かったのが、栗友会合唱団で、私はこの合唱団は初めてでしたが、ホール全体に響き渡った力強い合唱は強く印象に残りました(二期会合唱団よりいいかも?)。
アルミンクの指揮は、一幕ではやや平凡な印象を持ちましたが、二幕、三幕と進むにつれて尻上がりに乗ってきて、この指揮者の構成力の確かさを感じることが出来ました。
「ローエングリン」は非常にロマンティックなストーリーを持ちます。男性の素性を聞いてはならない、というのはワーグナー自身の生い立ちとも関係していると言われています。
すみだトリフォニーホールの入り口には「完売御礼」の垂れ幕が下がっていて、これだけの公演が2回だけというのも、オペラ公演がひしめき合う日本のオペラ界の盛り上がりを感じた次第です。

 チェロ 指揮者 室内楽 器楽曲


日付:2007年03月28日

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