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Works by Tokuhide Niimi 風を聴く / Tokuhide Niimi 新実徳英

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「風音」はクラリネットとバイオリン、チェロのための音楽である。ごくわずかに波長の異なる楽器の音が、うねりを持って一体となっている。どの音がクラリネットなのか、バイオリンなのか、そしてチェロなのか、区別がつきにくい。また、そのような区別を不要とする所に、この曲の面白さがある。メロディーは雅楽のようでもあり、日本を意識させる。そして風音は、ずっと高みへのぼりつめ、果てる。

「横竪」と題されたチェロ独奏の曲は、「横」と「竪」すなわち「ヨコ」と「タテ」を意味している。チェロの独奏を、ヨコとタテというメリハリのある2分化した構成と奏法で組み立てているようだ。それはすなわち高音と低音、早いパートと遅いパート、アルコとピッチカートといった具合である。

「風韻II」は3本の尺八による曲だ。ここでも音程のわずかにずれた尺八の音がうねりをみせ、空間的な広がりを感じさせる。複雑に重なったり離れたり、ほとんど一体となって形をなしたりする。それにしても尺八という楽器は本当に艶がある。

「青の鳥」は「おうのとり」と読む。2台の十二弦箏による作品だ。最初はかすかに小さな音で始まる箏の音が次第に大きくなり、箏に独特の大きなビブラートで踊るように奏でられるところが大胆である。一定のリズムで2つの箏がつかず離れずユニゾン的に弾かれるところにはミニマルミュージックの香りも感じられる。とても面白い。

最後の「風を聴く」は室内楽であるが、他の曲と異なり、やや大きな編成である。2本の篠笛、3本の尺八、3台の二十弦箏、1台の十七弦箏によって演奏されている。楽器の編成が大きいこともあって、より複雑な相互作用をみせてくれる。聴き込むほど味わい深さが増す作品だ。

このCDはライブ録音であり、「お聴き苦しい箇所がございますがご了承下さい」と断り書きがある。時折なにか物が動くような音がする箇所があるが、ほとんど気にならない。むしろ楽器の音にライブ感があって、生々しさが感じられる録音になっている。このCDはfontecから発売された日本盤だ。(20070220/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

 現代音楽


日付:2007年02月20日

1件のコメント

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このブログ(日記)へのコメント

Shigeru Kan-no

新実徳英作品は広瀬量平のような作風だと思いますが、こちらでは全く聴いた事はないです。日本はありますが当時スコアがなかったので研究できなかったですね。いまは違うようですが。

2007年04月02日 05時58分11秒

1件のコメント

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