はかせさんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

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楽器の半完成部品

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 模型工作、特に鉄道模型の世界にはスクラッチビルト信仰というのがある。プラモデルのようなキットを組み立てたものは偉くない。自分で金属を旋盤やプレス機で加工しネジ一本から自作した模型をスクラッチビルトとよび、こういうのが偉いのだ。それなら、自分で鉄鉱石掘ってきて製鉄所作れよ、と言いたくなる。まあ、他人に依存していないところに価値があるのかもしれない。

 田園調布の楽器屋はとても良いチェロを作るのだが、息子のために分数チェロ(3/4)を作るのに、横板は完成品を使っていた。カールヘフナーという量産メーカーがあって、この機械製のチェロやヴァイオリンの半完成部品を買うことができるのだ。横板はカエデ(maple)の薄板を熱と蒸気で曲げるのだが、このためには内型というのを作って、これに添わせて曲げる。内型は何度も使えるが、彼は分数チェロを今後作る気は無いので一度しか使わない内型を作るのが面倒、それでここの完成品を使うわけだ。ネックもちゃんと渦巻きも指板も糸巻きも完成したものが手に入る。大して割高でもない。この楽器屋の説では、楽器の音は表板と裏板でほぼ決まるから、そこさえ自分で作れば自分の楽器の音になる、との事だった。

 チェロ製作プロジェクトの最初にまず、練習としてヴァイオリンを作った。横板は自分で曲げたが何回も失敗して割った。ネックは3回失敗してあきらめ、カールヘフナーの完成品を使った。
 自分のチェロは1台目のヴァイオリンを作った直後に材料を買ったので、ネックはどうせ駄目かと思い、自分で作るためのカエデの材木の他に、カールヘフナーの完成品も買った。横板は裏板を買うとついてくるが、このほかに、だいたい曲がった横板も買った。10年以上かかって完成したが、横板曲げは二ヶ所で失敗し、そこは曲げ加工済みの横板を使った。ネックは途中までできていて、失敗してはいないのだが、転居が迫っていて時間切れで完成品を使った。見るからに量産品という形の渦巻きだ。
 チェロを作っている合間にできた2台目のヴァイオリンは全部スクラッチだ。ついに渦巻きが彫れるようになった。このネックは、チェロのネックの端切れから作った。
 自作のカルテットを完成させるために次はヴィオラを作った。チェロを作って初期の目的は達して気力が弱っていて、横板完成済みを使った。自動的にサイズが決まり407mmになったが、カミさんが弾くのでちょうど良いだろう。カミさんは大女で手長である。
 息子のために作った大型ビオラは気力が充実していて全部スクラッチ。これは特殊サイズだから、横板完成品は使えない。
 今作っているヴァイオリンは、まあ、暇つぶしに作っているので、全部スクラッチで作っている。横板もネックももうできた。
 つい最近、師匠のチェロが高値で売れたので(材料を買える!チェロを置く場所も空いた!)もう一台チェロを作っても良いな、と思っている。自分で削ったネックが部屋の隅に転がっているし、曲げ加工済みの横板もいくつか残っている。ただ、転居の時、チェロの内型を捨ててしまったので、もう一度内型を作るのがおっくうだ。横板完成品を使ってしまおうかとも思案している。

 この半完成品のカタログを見ていると面白い。
http://www.minehara.com/showcase/maruichi/hofcat1....
 一番完成したものはもちろん、カールヘフナー製の楽器だが、その下に白木完成(自分でニスを塗るだけ)もある。裏板が完成して横板に接着してあり、表板もほぼできているが自分で多少の厚さ調整ができるとか、どのくらい手抜きをしたいか、に応じてくれる。
 自分で全部手作りして、これらのキットを超えるのは素人にはなかなか難しい。

 チェロ ヴァイオリン(バイオリン) ヴィオラ(ビオラ)


日付:2007年06月29日

2件のコメント

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このブログ(日記)へのコメント

「へ〜」を20回くらいつぶやきました。へ〜、あ、また言った。
はかせさん、渦巻きも彫れるんですか?すごーい。(え?感心するところが違う?)
WHITE VIOLINE とかがニス塗るだけってヤツですね。価格表が紙をスキャンしてそのまま載ってるとこもすごいなぁ。(+o+)
オーボエファゴットのダブルリード楽器の方達が、スクラッチビルドで最初っからリードを作るのもすごいと思っていましたが、楽器そのものを作るって、やっぱり大変ですよねー。10年掛けて作るなんて、すごい!でも、リードは消耗品という大変さがありますけどね。

2007年06月29日 23時47分05秒

渦巻きが彫れるんだからグァルネリを超えている。(笑)

小学生の頃作っていたHO模型は、金属は扱えなかったので、白ボール紙でスクラッチビルドでした。小田急のロマンスカーの最前部をそれで作ったこともあります。(その手の雑誌記事の通りにやっただけですが。)だいたい、小遣いが足りなくて、モーター代を捻出するにも四苦八苦していたもんなあ。

2007年06月30日 07時40分59秒

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