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聖者ぼんちリンポチェさん

聖者ぼんちリンポチェさんのプロフィール

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歌劇って過激!

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超下手糞なるシャレにしかなりまへんが、
内容としてはマジです。

オペラというのはその時代その時代で扱い方は
本当に同じ作品か、というくらい変わります。
私の専門であるモーツァルトひとつとっても、
トスカニーニの時代、フルトヴェングラーの時代、
ベームの時代、カラヤンの時代、
そして今、アーノンクールの時代・・・
それぞれに「モーツァルトとは」
という問いに始まり、その結論、
その結論から導き出される方法論、
ぜーんぶ違っております。

私が生まれてしばらく、ドイツあたりで
「前衛演出」の時代が始まったようです。
単に時代設定を変更(主に現代化)することを筆頭に、
政治性を前面に出すもの、エロスを前面に出すもの、
残虐性を前面に出すもの、
指揮者の時代性と同じく多種多様な作品の扱い方が
多くの演出家によってなされてきました。
しかし、それが出来るというのはなぜなんでしょう?

もし台本にも音楽にも、政治性やエロス、残虐性、
といった「毒」のかけらもないとするならば、
「前衛演出」は単なる改竄ということになりますが、
しかしながらたいていの作品は、
作品のどこかに「毒」の存在を確信できます。

そんな中で「台本」に手を入れ、
「毒」を取り除いて上演することは、
たとえ観客層がどのようなものであれ、
許容されるべきではないと考えます。
たとえ年端のいかない子供であろうとも、
「毒」はきちんと明示し、その上で、
なぜ「毒」が「毒」であるのか、
ちゃんと納得できるように説明してあげること、
これが「芸術」の伝達方法ではないでしょうか。

「毒」を抜くと、オペラって退屈な音楽劇になります。
もしかしたら「毒」に反応して、
「オペラ恐怖症」になる人が出現するかもしれません。
でも、「オペラって退屈だから嫌い」
なんていわれるくらいなら、
「オペラは怖い」と言われるほうが、
何億倍もマシだと思います。
なぜなら、怖いもの見たさで見に来る人もいるから。
怖いホラーをわざわざ見に行く人がいるんですからね。

特に、オペラには最大の「毒」がつきものです。
それは、「死」。
自殺であれ他殺であれ、はたまた処刑であれ、
ショッキングだったりドラマティックだったり、
いろんな形はありますがだいたい「死」があると。
そして我々は、その「死」を通して
「生」の意味合いを感じることができるのです。

そのあたりをきちんと考察せず、
「子供向きの上演だから」とかいう理由で、
安易に作品を改竄するのは、
どこの団体であれ、やめていただきたいものです。

 テノール・カウンターテナー 指揮者 オペラ∩声楽曲 古楽


日付:2006年01月31日

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