Shigeru Kan-noさんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

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298. ジョン・アダムスの「メアリーによるゴスペル」

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298. ジョン・アダムスの「メアリーによるゴスペル」 THE GOSPEL ACCORDING TO THE OTHER MARY、5月11日、オペラ・ボン

最初の予想ではミニマリストだからバーンスタインと同じミュージカルだと思った。休みが一回だし、演奏時間も2時間ちょっと。ダンサーが出て来るので歌って踊ってばかりいるのであろうと思われた。

ピーター・セラーズはその昔モーツァルトのダ・ポンテ・オペラのWSのヴィデオでスケベ黒人と白人女性をキスさせたとかで当時物議を醸しだした変わった演出家だが、今回はその台本も担当している。前回のベンジャミンの「スキン」と同じくまたイギリス・ナショナルオペラとの共同制作。

実際の音楽は繰り返しはあるが意外と真面目でかなりブリテン風。黒人も東洋人もまんべんなく出て来るのでそれでもアメリカ風なミュージカルの特徴も同時に備えている。ここの劇場で以前に見たのはグラスの「サテイアグラハ」のみだが、その以前にシュトットガルトでグラスの初期の3部作見ているのでグラスの陳腐は音楽語法は知っているが、今回の場合は同じ後発のミニマルでもそうでもなく、経過部などは普通のオペラの様に繰り返しをかなり避けてプッチーニの「トゥ―ランドット」の様に闇の中の余韻の様に流れが一方通用になっている。

それにしても黒人の女声の声がレオンティン・プライスの様に良いこと、さすがにミュージカルとは違ってオペラハウスは本当に良い歌手だけを集められる。ガムラン風なゴングは調子が完全ではないので微分音風に聴こえるし、更に脇のチェンバロンがその傾向を促進させる。

3人のカウンター・テノールはみんな粒揃いでバランスが良い。音大でもその専攻が確立されていて3人も同質の歌手を集められる時代になったのだ!それにしても繰り返しはそんなに頻繁ではないのがちょっと予想に反した。グラスの「浜辺のアインシュタイン」のような抽象物語ではなくちゃんと台本が50セントで売っているので買ってみたが、どちらかと言うとオペラではなくオラトリオのテキストである。従ってこの曲もストラヴィンスキーの「ェディプス王」と同じくオペラ・オラトリオと命名してるわけだがどちらかと言うとミュージカル・オラトリオかゴスペル・オラトリオに近い。とにかく調性はグラスのような「転調」はあってもほとんどあり、リズムもジャズのそれであるが、クラスターなどでグラスとは違う現代性も出ているし、全オーボエの微分音のポルタメントの絡みはグラスには単純に無かったキャラクターである。

題名がゴスペルになっているがゴスペル音楽そのものではなくゴスペル的な音楽物語を使ったオラトリオと言ったほうが似合う。ペデレツキの様な不確定要素も組み込みジャズ風のトランペット・ソロでラザロの復活を物語る。黒人歌手の優れたテノールに対するグラス風の分散和音の伴奏もまだ残っているが、とにかく儀式ばっかりしてて罪がどうのこうのと煩い宗教音楽。ミニマル主義と言えどもかなりの部分をクラシック音楽処理したムジーク・テアター。マーラーの1番を思わせる全弦のオクターブは引用臭い。

最近2週間にいないに2つの現代オラトリオを聴いたことになるが、エトヴェシュとこのオペラは対極にある。とにかくあの「ウィキペディア」の台本はカーゲル風で面白かったが、このアメリカ人による台本はキリスト教原理主義で既成の範疇を超えているとも思えない。

弦のフラジェオレットの多様で無調も演出。アイヴスの「答えのない質問」を思わせる全弦の和音の下敷きの上に乗っかるトランペット。クラスターの複調的な木管と弦の交差。80分。

3管編成だが、金管はトランペットトロンボーン2管ずつ、コントラファゴットの代わりに異様な形のサリュッソホーンはどす黒い異常な音を立てる。弦は徹底的に削られて10,10,6,6,4。ティンパニのない打楽器4、ピアノハープ、ミュージカル用のエレキギター。

第二幕では合唱団がみんな絶対音感ないので皆始まる前に予めはもっている。激しい合唱音楽はストラヴィンスキーの詩編交響曲を思わす。ミュージカルでもエルンステ・オーパーでもないが完全なアメリカ宗教の物語り。弦楽器のトレモロ・クレッシェンドとホルンの高音の吠えはストラヴィンスキーの春祭の「大地礼賛」の部分から来ている。

東洋人の男1人と、黒人と白人女性のダンサーの3人組は奇妙に背丈が全く同じでバランスよく取れている。又ジャズのシンコペーション。iPhoneの喋ってる真似。安っぽいスチールドラムの音はゴスペル感を助長させる。意外とガ―シュインの「ボギーとベス」にも近い。3本のフルートのミニマル点描音楽。シンバルとタムタムのアルコがこんなに減のフラジェオレットに近いのは意外な発見。又ジャズに戻りソロ・クラリネットの朗誦。ユダヤ人と思しき両脇の外の合唱がバラバラにしゃべり始め十字架の処刑で奇妙なサリュッソホーンが活躍。その後のピエタは受難曲そのものでこのオペラが今年の受難節にプレミエされた訳が解った。後奏の本管と弦楽器のユニゾンがそれぞれ続く。

カエルか鳥の鳴き声が録音で流される。舞台の後ろにコーラスが入って歌うか聴こえないらしく薄くスピーカーで増幅されている。ティンパニのない打楽器軍の原始の踊りはミュージカルの様に全員が踊る。静かなエピローグが既成の受難曲よりも長く70分かかった。計2時間半。このオペラもそろそろ降ろされる。

菅野茂


26 Mrz
18:00 H

01 Apr
19:30 H

21 Apr
19:30 H

23 Apr
18:00 H

11 Mai
19:30 H

14 Mai
16:00 H
Opernhaus
John Adams
Opern-Oratorium in zwei Akten für Orchester, Chor und Solisten
Libretto zusammengestellt von Peter Sellars mit Texten aus dem Alten und dem Neuen Testament sowie Texten von Dorothy Day, Louise Erdrich, Primo Levi, Rosario Castellanos, June Jordan, Hildegard von Bingen und Rubén Dario
in englischer Sprache mit deutschen Übertiteln
In Koproduktion mit der ENO – English National Opera, London
Deutsche szenische Erstaufführung
HINWEIS | Eine Stunde vor Aufführungsbeginn stehen im Foyer unsere ehrenamtlichen OPERNFÜHRER für Sie bereit und freuen sich auf Ihre Fragen zu Werk und Inszenierung.
Im Schweizerischen Rundfunk beschrieb Thomas Meyer anlässlich der Aufführung von John Adams’ Opern-Oratorium im Rahmen des Lucerne Festivals das Stück wie folgt: „Es sind die Frauen, die Jesus nach Golgatha begleiten und am Morgen an seinem Grab erscheinen. Die Kreuzigung wird in diesem Oratorium eher knapp, aber äußerst pointiert dargestellt. Wichtiger ist das Thema der Auferstehung. Erzählt wird nämlich zunächst, wie Jesus den bereits seit vier Tagen toten Lazarus wieder zum Leben erweckt. Das Werk endet schließlich nicht mit der Klage, sondern mit der Auferstehung Christi, also mit einem Zeichen der Hoffnung.
Weit gespannt zwischen Leben und Tod sind deshalb die Ereignisse und die Emotionen, weit dimensioniert auch die Musik von Adams. Der in Kalifornien lebende Komponist hat seinen Stil stark weiter entwickelt. Natürlich gibt es auch die für ihn typischen ekstatischen und rhythmisch so bewegten Momente. Gleichzeitig aber verdichtet er seine Tonsprache, schärft sie dissonant, bringt fremdartige Elemente ein – wie zum Beispiel ein Zimbalon, ein ungarisches Hackbrett – oder lässt die Vokalstimmen in bittersüßen Harmonien singen. Damit erreicht er eine außerordentliche Intensität. Und so entsteht eine neue Passion für unsere Zeit.“
Nach der konzertanten Uraufführung in der Walt-Disney-Hall in Los Angeles im Mai 2012 folgte zehn Monate später an gleicher Stelle eine halbszenische Version, in der das Stück auf Tournee um die halbe Welt ging. Diese Fassung inszenierte – wie auch die dann 2015 an der Londoner English National Opera in Koproduktion mit dem Theater Bonn herausgekommene erste vollgültige szenische Aufführung – der Librettist des Werkes, Meisterregisseur Peter Sellars.
Einführungsgespräch
OPERNFOYER | So, 12. MRZ 2017, 11h 
...und außerdem...
Christopher Arpin spielt amerikanische Komponisten des 20. Jahrhunderts -
mit Werken von u. a. John Adams, John Cage, Lou Harrison, Charles Ives und Henry Cowell
OPERNFOYER | Mo, 8. MAI 2017, 19.30h
Weitere Informationen:
- "L.A., London, Bonn" - Tanz-Casting mit Star-Regisseur Peter Sellars
- "Es gibt immer noch Raum für Veränderungen" - Interview mit Dirigentin Natalie Murray Beale am Welt-Frauentag
Besetzung
Mary Magdalene - Christin-Marie Hill
Martha - Ceri Williams
Lazarus - Ronald Samm
Countertenöre - Benjamin Williamson, Russell Harcourt, William Towers
Tänzerinnen: Iamnia Montalvo Hernandez, Kanako Minami, Carmen Mar Cañas Salvador
Tänzer: Keisuke Mihara, Erik Constantin
Chor des Theater Bonn
Beethoven Orchester Bonn
Musikalische Leitung: Natalie Murray Beale
Inszenierung: Peter Sellars
Bühne: George Tsypin
Szenische Einstudierung: Elaine Tyler-Hall
Kostüme: Gabriel Berry
Licht: James F. Ingalls
Soundddesign: Mark Grey
Choreinstudierung: Marco Medved
Regieassistenz und Abendspielleitung: Mark Daniel Hirsch
Musikalische Assistenz: Mike Millard
Hauptkorrepetitor: Miho Mach
Bühnenbildassistenz: Ansgar Baradoy
Kostümassistenz: Dieter Hauber
Inspizienz: Tilla Foljanty / Karsten Sandleben
Sprachcoaching: Cynthia Grose

 作曲家 指揮者 ピアノ 現代音楽 オペラ∩声楽曲


日付:2017年05月12日

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