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今年の末から来年春にかけてアマチュアオケでマーラーの交響曲をいくつか聞くことになったので、「俄か拝聴」をやっている。
これまで「まともに聴いた」ことはないので、新鮮な感じがする。100年前の作品なのだが、当時の聴衆は随分と「高尚」な音楽を聞いていたものだと感心させられる。
音友の『マーラー』の執筆者村井さんの解説がある。
われわれが「正真正銘の」マーラーに出会えるのは、この第三交響曲からである。この交響曲を「マーラーの《田園》と呼ぶには、あまりにスケールの大きな、奔放な作品となった。」
(そして)「この曲では、作曲者の考えた「意図」ないしプログラムと、われわれ後世の人間の聴き方のギャップ」が存在する。
「すなわち、生命のない物質から植物、動物、人間、天使、神へと楽章を追うごとに、より位階の高い存在物が登場してくる「一種の進化論的展開」が意図されていたわけである。」
これに対して、「もはや現代の聞き手は、・・・「夜が私に語ること」「朝の鐘が私に語ること」とも題されていた・・・「夜」と「朝」の気分の変化・時間の推移
を聞き取りうる。・・・簡潔に云えば、マーラーの意図に反した『ニーチェ交響曲』としても聞きとり得るのである。
演奏時間1時間40分の大交響曲には、ニーチェ流の「生きる苦痛から逃れる永遠回帰」の思想が、各楽章の円環形式に表現されている。「CDプレイヤーのリピート機能を利用すれば、文字通りの永遠回帰が体験できよう。」これは、「もとよりこの作品のひとつの解釈に過ぎない」と。
マーラーはアルマの回想記を読む限りでは、芸術家としては「敬愛すべき」であったが、一人の男性としてはいただけない夫だったようである。
彼が、アルマとの出会いで本物の「永遠回帰」の苦悩に悩まされることになるとは人生の皮肉である。第三以降の交響曲で、この問題がどのように表現されているのかが気になる。マーラーには悪いが「現代の聞き手」はもっと気楽である。
ピアノ オペラ∩声楽曲