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作曲とはなにか４～編曲と本歌取り

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「編曲」とは和歌の「本歌取り」のようなものだ。

　「三輪山をしかも隠すか雲だにも心あらなもかくさふべしや」

万葉集に収められた額田王の名歌は紀貫之の下記の歌を下敷きにしている。

　「三輪山をしかも隠すか春霞人に知られぬ花や咲くらむ」

額田王は紀貫之の上２句をそのまま引用しているわけだが、
イメージの重層化の手法として「本歌取り」を駆使している点で白眉なのだ。
飛鳥から大津への遷都の寂しさを貫之の描いた春霞と重ね合わせることで、
単なる「悲しみ」から豊かなイメージ（想い出）へと膨らませているのである。

「編曲」もまた然り。
既存のメロディーの引用は単なる知識と技巧のひけらかしで終わるべきではない。
誰もが知っている曲を下敷きにすることで、新しい世界観に奥行と豊かな感情を与えるものであるべきだ。

もちろん、原曲を忠実に再現する（編成や構成を変えて）編曲も需要があるのは間違いないが、
「作曲家」が取り組むべき編曲とはこのような創造的な行為であるべきだと私は思う。

既存のメロディーの和音を付替えたり、編成を変えるだけなら
コンピューターで簡単にできてしまう時代なのだから。

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日本を代表する女性作曲家・徳山美奈子と一橋大学出身の異色の作曲家・平山智によるコラボレーションアルバム第２弾「おんごく」。

古今東西の民謡、童謡、聖歌。
生と死、愛、人生を見つめなおすピアノ・ルネッサンス。
日本を代表する２人の作曲家による珠玉の編曲集。

Creemaの販売画面へ
http://www.creema.jp/exhibits/show/id/1170426

≪収録楽曲≫
１．グリーンスリーブス（平山智）
２．ある蝶の一生～チョウチョより～（徳山美奈子）
３．さくらさくら（徳山美奈子）
４．サリーガーデン（平山智）
５．シャボン玉（徳山美奈子）
６．ふるさと（徳山美奈子）
７．夕やけこやけと子もり歌（徳山美奈子）
８．おんごく（徳山美奈子）
９．神とともにいまして　讃美歌４０５番より（徳山美奈子）

徳山美奈子（編曲・ピアノ）
http://minakotokuyama.sakura.ne.jp/
平山智（編曲・サウンドエンジニア・デザイン）
http://www.geocities.jp/haitaka0727/
ゆう（うた）

　作曲家　指揮者　ホルン　現代音楽　交響曲

日付：2015年07月19日

1件のコメント

このブログ（日記）へのコメント

Shigeru Kan-no

編曲だとここの教会の讃美歌や聖歌が凄いですね。元の歌詞とメロディーは中世頃に別々の人で作られてそれを2声、3声、4声体に別々の人によって和声がつけられ、歌詞も変えられ、さらに近代になりメロディーが現代風にアレンジされさらにいろんな声体にすべて別々の人に編曲され、さらにポザウネンコアに直され、オブリガートなどが付けられ、昔は即興してた幾通りの前奏も別人によって書かれ。さらにコンサート用の合唱編曲などと、現代になるとみんな体が大きくなっていますから高い声が出ないので常に低く移調され同時にポップス風にも編曲され、無数の編曲者の手によっている歴史の恐るべき厚さにはびっくりします。その他には歌詞だけ残してそっくり全部新しい旋律が与えられたり、旋律だけ残して新しい歌詞に付け替える手法などもあります。また更にメドレーにしたり、ポプリにしたり！・・・・の主題による変奏曲やフーガも広い意味で編曲？引用の王様はベリオでは無くてベルント・アロイス・ツィンマーマン。編曲と作曲の中間の作曲家はオットリーノ・レスピーギ？無数の形態があります。

2015年07月25日 05時53分15秒