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ベートーベン「悲愴」第2楽章を古典音律で
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モーツァルトの手紙の本を読んでいて、
モーツァルトのお母さんが死ぬ直前の手紙で
「まるでここは牢獄のようです」
と書いているのを見て、
あぁ、そういう状況における音楽は、
今とは全然違う存在意義があったんだな、
と思った。
19世紀の時代背景を考えると、病気になれば原因も解らず治療法も無く死ぬ人が大勢いて、しかし、病原菌というものの存在はなんとなく解ってきて、それを外部から取り込まなければ病気にならない、ということが解ってきた時代に、人々がどう考え、どう行動したのか。TVもラジオもネットも何も無い時代、本は種類が少なく高価で、そういう状況で、子供に家の中にじっとして居させるのは難しい。
例えばお金持ちの家のお嬢様が、外で病原菌をもらってきたりケガをしたりしないように、なるべく家の中に居てほしい、と親が思ったなら、楽器を買い与えて音楽の練習をさせれば、強制的に幽閉するまでもなく家のなかに居て、練習してくれるようになる事が期待できる。その音楽自体に意味があろうが無かろうが、結果として病気にならずに元気に育ってくれれば、それだけで何物にも代えがたい意味が有る時代があったのだ。
「幽閉では無く、自分の意思で、なるべく家の中にいてもらう」ための手段、としての音楽、という需要が19世紀にはあったんだな。
古楽 ピアノ