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舞台で演奏する、とか、歌う、という行為において「はすかしい」という気持は排斥されるべきものかと思います。堂々と覚悟を決めて「演じきる」ことをしないと、妙な空気が漂い、潔い演奏は望めないことでありましょう。
でも「恥じらい」の感性は持っていた方がよいように思います。
今日、電車で四十くらいの女性がバッグから鏡を出して顔を写しました。「あらら、女子高生みたいにお化粧?」と思い、しばらくそっと見ていましたら、その女性はやおらあんぐりと大きな口を開け口の中を鏡で覗いています。どうも奥歯か何かが気になるご様子。「あああーーん」なんて台詞が聞こえてきそうな位豪快な口のあけっぷりです。そしてひとしきりお口の点検が終了するや、お次はタオルを手に持ち、なんとTシャツの中に襟口からぐわっと手を入れ、汗ばんでいると思われる素肌をガシガシ拭き出しました。いやあ、それはもう凄い勢いで、でした。
音楽家が舞台で、こんなことする訳はないですが、舞台以外の場所で、人目があろうとなかろうと、このような振る舞いを平然とできる感性は、きっとどこかに露呈してしまうような気がっします。
変に取り澄まして生活することはないにせよ、この女性のような恥じらいと100%決別したりするのはいけないなーと感じてしまった電車の中のヒトコマでございました!
作曲家 声楽 ピアノ 金管楽器 ホルン