Shigeru Kan-noさんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

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290. ブンデス・ユーゲント・オーケスター、4月21日

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290. ブンデス・ユーゲント・オーケスター、4月21日
その前にケルンの図書館に入る。ポスター見ると間もなくあのなんとスター歌手のローランド・ヴィアッソンが図書館に来てインタビューに答えるそうだ!4階にピアノがあるが歌うどうかは未定。彼は数年前に声壊して最近はオペラであんまり歌えないのでヨーロッパ各地でオペラの演出を手掛けている。TVによく出て来るが英語、スペイン語、イタリア語、フランス語、ドイツ語等が訛りなく完璧なので、良くクラシック番組の司会をやっている。今回デュッセルドルフの「ドン・パスクアーレ」の新演出のためにNRWに滞在しているので簡単に呼べるわけだ。クラシック音楽鑑賞会で我慢しなければならない予算の極端に乏しい日本の図書館では考えられない。

今年がイサン・ユンの生誕100周年記念年であることは最近になって知った。同じ日に知った嵐野英彦死の死去と重なり何か言葉に表せない厳しさと怖さの共通点を感じる。自分がプフォルツハイムの講習会の呼ばれた時はもう優しい東洋のおじいちゃんだった。最初ドイツ語で喋り合っていたが、後半からは閊えるドイツ語よりも日本語のほうが楽なのか完璧な日本語になってしまった。

最初の曲「レアク」は彼の膨大な文献にあるように良くその終わり方が話題になる。初演のドナウエッシンゲンのディレクターに最近の現代音楽は皆静かに終わって困ると言われてffffで終わるようにした作品は、同じ話を例の1990年のプフォルツハイムのペンクラブの講習会でも聴かされた。今まで機会あるごとに録音でしか聴いたことがないので生は今回が初めてで、予め1987年にラッヘンマンと初めてドナウエッシンゲンに行って買ったそのスコアを眺めていたがやはり実際に生で楽譜無しで聴いた方が曲の構造が良く解る。こうなるのは学生時代に聴音アナリーゼを良く受けたのでそういう能力なのかよくわからないが、耳で聴くとすぐそのスコアの風景が見る事よりも現実に思い出される。

これを聴いてわかるのは後期の新ベートーヴェン主義に繋がる動機展開の仕方が良く解るという点だ。ウェーベルンのように動機の逆行などの組み合わせも入っていることが良く認識される。録音で聴いたときはこの時代はそんなに鳴らない音楽と持っていたが後期の5つの交響曲ほどではなくともそうでもないらしい。3管編成だが16型でやっているので弦が充実している。

雅楽みたいな風の和音は絶対に朝鮮半島の民族音楽から来ていることを再認識させる。4分の1音のグリッサンドも東洋のものだ。トロンボーンは2でチューバと組み合わせて3管としているが、この管弦楽法はユンが講習会で提案した編成と同じで何かの癖らしい。どちらかと言うとベートーヴェンの動機展開主義ではなくて新民族主義とでもいうべきである。3本のオーボエのユニゾンも雅楽風である。同じモティーフの繰り返しはあるが離れていれば大丈夫と言うのは、1988年に一番初めにダルムシュタットに参加して知り合った大阪音大の教授がイサン・ユンにベルリンで習っていた時に、ラッヘンマンの一切の繰り返しの厳しい禁止に反論して言っていた言葉と同じである。我々はこの問題をシュパイアーの大聖堂に行く途中のバスの中で話し合った。

終わりはffffで吹いているはずではあるが木管なのでそう感じるわけではなくて意外とあっけなく終わる。16分23秒。

その後にベルリンフィルのように現代音楽のイサン・ユンを避けてわざと遅れて来る聴衆が入って来る。そのためにベルリン・フィルハーモニー・ザールでは良く演奏順を組み替えて最初にクラシックを最後の良く現代音楽を持ってくるがここではそうはしなかったのでちょっと失敗している。まあー、最初によく現代音楽聴かせるのはクラシックの後で聴衆を帰らせないで最後まで聴いてもらうためであるが!

モーツァルトは6・6・4・4・3でチェロ以外の奏者全員が立っている。ピチカートのバランスが小さいが弦は優秀である。このブンデスユーゲントオケは他のヨーロッパ室内やグスターフ・マーラー・ユーゲント、ユンゲ・ドイッチュなどとは違って音大以上だけではなく高校生でも東洋人でも上手いのは全部入れてしまうらしい。このオケを初めて聴いたのがフレアンクフルトのアルテオーパーで、シュトックハウゼンの指揮の講習会になってない作曲の講習から抜け出して、指揮はルドルフ・バルシャイで、ショクタコの4番でその上手さには感心したものだった。トゥッティも一緒に弾くゾリステンもオケのメンバーらしいが音の質と鋭さは一流。13分17秒、10分40秒、6分07秒。アンコールはモーツァルトのデュオB-Dur?から第二楽章。たった2人でも以外と聴きごたえのある曲になってる。

ラフマニノフは普通は行かない。何も革新性がないのでグラズノフと並ぶもう一人のロシアのブラームスみたいな感じの作曲家。せっかく弦がはっきりと動機を鳴らしているのにすぐに木管の吹き流しで消してしまうスタイルが嫌いだ!しかしこの弦は通常の放送オケやオペラのオケと違ってふくらみ度が全然違う。そこにブラームス的な地道な動機の展開をごちゃごちゃいじくる。このままプロオケとして外国に輸出したいところだが、ギャラが発生し、更に70%の補助金で食わせられる国はそうは無いのでそうは行かないので宝の持ち腐れだ。

ホルンの和音の膨らみはあたかもハリウッドの映画音楽の様に聴こえる。これも既成のプロ・オケにはできない芸当。それでもロシア音楽である限りグラズノフのようにチェレスタを多用し打楽器を加えて色彩的ではある。問題は何時もストラヴィンスキーのような革新性も欲しいとこである。WDRやギュツニッヒのように弦の高音も狭くはならないよその国のオケのようであるが、ドイツに置いてある限りトランペットもティンパニもコンバスの弓もドイツの物を使っている。とにかく弦が並外れて上手いので圧倒されてしまう。第二楽章はシベリウスのように中間部でプレストで突進し、第三楽章はコープランドのロデオのような西部劇のリズムに聴こえる。最後に管も強大な弦に支えられて凄く派手に終わる。何時もこのフィルハーモニーのコンサートが帰りの電車が出発する頃終わるようにわざと設定されている。41分。

21.04.2017 Freitag 20:00 Uhr
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L. Ferschtman, N. Mönkemeyer, Bundesjugendorchester, L. McFall: Mozart, Rachmaninow, Yun
Kölner Philharmonie

Liza Ferschtman Violine
Nils Mönkemeyer Viola

Bundesjugendorchester
Leo McFall Dirigent

Isang Yun
Muak (1978)
Tänzerische Fantasie für großes Orchester

Wolfgang Amadeus Mozart
Sinfonia concertante Es-Dur KV 364 (320d) (1779–80)
für Violine, Viola und Orchester

Pause

Sergej Rachmaninow
Sinfonie Nr. 3 a-Moll op. 44 (1935/36)

Pause gegen 20:55 | Ende gegen 22:00

 作曲家 指揮者 ピアノ 現代音楽 オペラ∩声楽曲


日付:2017年04月22日

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このブログ(日記)へのコメント

Shigeru Kan-no

言うまでもないがここの指揮者陣にはサイモン・ラットルも入っている。この公演のバーデン・バーデンだけ彼の指揮。

2017年04月22日 20時07分48秒

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