ミヤビさんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

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「ホルンの歴史〜第四回 ホルンにおける『右手』の存在〜」

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実に四ヶ月ぶりの更新、ご無沙汰しております。
今後思うところがあり、このサイトの更新にも力をそそがさせていただきます。


前回までで、ナチュラルホルンによる楽曲の紹介までのお話を致しました。

このナチュラルホルンという楽器は、自然倍音という音しか出すことが出来ませんでした。この自然倍音というのは、『ある楽器の基準となる音が含む倍音(音の響き)』のことをさします。つまりはどういうことかと申しますと、『ドミソシ♭』などの、ある一定の音しか出すことが出来ないのです。
ただの管でも、吹き方や息の圧力、唇の振動のさせ方でそれらのいくつもの音を出すことが出来るのですが、それでは音階を演奏することが出来ない。言うなれば、メロディーを奏するためには必要であるにもかかわらず、出すことの出来ない音が存在するためそのメロディーを奏することが出来ないのです。

しかしそれでも、古来の作曲家たちは、前回の例のように、その『出すことの出来ない音』を回避することにより、また、苦肉の策(?)として、長さの違う(=出すことの出来る音が違う)楽器を用意し、二人の奏者が一つのフレーズを、お互いの出ない音を補い合い、あたかも一人の奏者が一つのメロディーを奏しているかのような感覚を与える…ということで、ホルンの、楽曲への使用を促したのです。


ホルンはそのような不便さを持ちながらも、その圧倒的ともいえる豊かな音質と、音楽性の表現力の限界の深さとを持ち合わせているため、器楽演奏の場からその姿を消すことはありませんでした。そして、苦肉の策ともいえる先の方法により、偶然にも、ホルンという楽器が、完全五度音程(ドとソ、ファとド、ソとレなどの、ある一定の間隔を持った、音と音との関係をさす)の響きにおいて、なんとも言いがたい、他の楽器にはなかなか真似の仕様がないような、飛びぬけて豊かな響きをかもし出すのです。これは、音楽用語にも存在し、『ホルン五度』と呼ばれ、作曲などに非常に有効利用をされています。
しかし、やはり音階、特に半音階においてはほぼ絶望的、とも言えるほど音が足りない。それはどの作曲家の頭をももたげさせていました。

ですが、ある時、ある中世のホルン奏者がいつものようにホルンを演奏しているときに、何気なく、差し入れていた右手を開いたりふさいだりしていたときに、世紀の大発見をしたのです。
『右手を差し込むと、差込具合と口の形の変化により、半音から全音(半音階二つ分)音を下げることが出来、完全にふさいだ形をとると、なんと半音音が上がる。』というこの奏法は、『ハンドストップ奏法』(ハンドミュート奏法、ゲシュトプフト奏法とも)と呼ばれ、ホルン業界に大きな革新を巻き起こしたのです。
ホルンで音階が出来る!!』
この発見は作曲界にも激震をよび、様々な作曲家ホルンの新たに出せるようになった音を調べ、それを自分の曲の中に取り入れたのです。
この時期にモーツァルトはホルンのためのコンチェルト、『ホルン協奏曲』を全四曲書き上げ、ベートーヴェンはホルンのためにソナタを作り、まさにナチュラルホルン、及び、ホルンの第一次謳歌時代といえましょう。

しかしこの奏法により出すことの出来る音は、手を使わずに出すことの出来る音は、そうでない音に比べ、音により非常に音質の変化が起こってしまうことがあり、また、まだ出せない音が存在し、半音階の演奏は不可能。誰もが『完璧に半音階に近い音を奏することが出来れば…』考えてやまない時代でもありました。


次回は、その夢が実現するいきさつと、その喜びをお伝えできればと思います。

 ホルン 指揮者 器楽曲 器楽曲 吹奏楽∩管弦楽器


日付:2006年05月03日

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